mano(マノ)
2011年 07月 29日
「スペイン語で 手という意味があるんです・・・」
と 聞いて
この名を採用させて頂いたのが 昨日の事のようです
そんな mano(マノ)展も 5度目の開催
そして 本日は 今回テーマとさせて頂いた
偉大な彼の命日でもあります
これから数日間で ご紹介する作品達は
素材選び 加工 デザイン パターン
裁断 縫製 フィニッシュ 等々
制作の全ては 彼女(womb)1人で 行っています
素材に関しては 永年培った
目と 触れた感触 匂いで 仕入れ
今まで研究してきた加工等を 施したりして
独自な風合いに仕上げています
この質感の研究も 彼女1人でコツコツ積み上げたもの
そして縫製等も ミシン等は使わず
一針すつ手で縫い仕上げていく為
時間が 凄~くかかります
ココでは 今まで触れてこなかった
彼女の手を 少~し覗いてみたいと思います
通常 ステッチルレットだったり 多本刃を持つ平目打ちを使って
針穴のピッチが同じ感覚で 整列して表現されますが・・・
今の彼女にとって その美しい整列は
少し面白みに欠けるみたいです
彼女は 1本菱目打を使い・・・
3㎜が4ツ続けば 5ツ目は4㎜だったり
次に・・・
3㎜が5ツ続けば 6ツ目は5㎜だったり
と あえてピッチを変化させ
普通だと 画像右の穴の様に 上に鋭角に穴が開く
ホールが通常とされ
糸を通すと その隙間が少し見えます
彼女は あえて 画像 左の様に穴を開け
糸を通すと 針穴の隙間が見えない様に仕上げます
そして 時折 通常の鋭角な穴を開け
先程と同じ様に・・・
4ツ続けば 5ツ目に
次に・・・
5ツ続けば 6ツ目に
と あえて 針穴から見える影を変化させています
作品の大きさや デザイン 使う素材 糸の太さによって
穴のピッチ 角度 大きさのバランス
直線 曲線によって 糸を引く力を変えて
表現しています
手間のかかる事で 通常だと見えにくい事ですが
革を手縫いで始めた頃の 不揃な 無骨な味と
今 職人としての仕事が足された線です
彼女が想像する 作品の影は
手で縫う事でしか出来ない 計算された無骨さ
今の彼女の 基本なんだと思います
mano(マノ)
今の彼女には ふさわしい言葉だと思います
by eminent-blog
| 2011-07-29 10:07
| womb/ウーム